八尾の古い町家を再生して、
「山元食道」を作りました。
"塗装技術のショールーム"です。
沢山の人に来て見てもらいたいと、美味しい料理も食べられる場所にしました。
ここの塗装には、もともと八尾にあった和紙と漆と漆喰だけを使っています。
これらの材料はすべて天然の素材です。
だから、なんとなく雰囲気が良い、空気の感じが良い。
不思議ですが、人は何かを感じるんです。
天井と壁はすべて漆喰です。漆喰は呼吸していますので、消臭効果もあります。
照明と凄く仲が良く、光を吸収して反射しません。なので空間が優しくなります。
また一般的に塗料は塗って固まると劣化が始まりますが、
漆は塗ってから質が上がって行きます。
店のメインとなる壁は、和紙を下地に漆を塗りました。
まるでオブジェのような壁で、左右対を成すように八尾の曳山とおわら、
静と動を表現しています。
ワラを混ぜた漆喰、麻を混ぜた漆喰、混ぜるもので風合いの違う漆喰壁も見られます。
土間の壁は端から端まで13mを吹き付けし、木のコテで押さえ、
雲が流れていくようなイメージで仕上げました。
こうした塗りは一発勝負ですし、正解がないという難しい面もあります。
仕事の仕方次第で、高級なものもチープに見えてしまうし、
逆に価値を高めること風合いも作れる。
良い塗りには、相当の技術と思いが必要です。